姿勢と肩こりの関係をバイオメカニクスの視点から解説
- 克嘉 赤澤
- 9月16日
- 読了時間: 2分

肩こりに悩む方は非常に多く、特にデスクワークやスマホの使用が増えた現代では「国民病」ともいえるほどです。
その肩こりの原因の多くは「姿勢」に隠されています。
本記事では、バイオメカニクス(生体力学)の視点から「姿勢と肩こりの関係」を解説し、効果的な対策方法をご紹介します。
1.肩こりを招きやすい姿勢とは
最も肩こりを感じやすいのは「頭部前方位姿勢」です。具体的には、耳の穴(耳孔)が肩の真上よりも前に出た状態を指します。
・猫背でデスクワーク
・下を向いたままのスマホ操作
・車の運転時に首だけ前に突き出す姿勢
こうした習慣が続くと、首や肩の筋肉に大きな負担がかかり、慢性的な肩こりへと繋がります。
2.頭の重さと首・肩の負担
人間の頭の重さは約4~6㎏。
これはボーリングの球と同じくらいの重さです。
理想的な姿勢(耳孔が肩峰の真上)では、首の骨が頭を積み木のように支え、筋肉の負担は最小限に抑えられます。
しかし、わずかに前に出るだけで「てこの原理」により負担が急増します。
3.バイオメカニクス的な負担の違い
・耳孔が肩峰の真上:負担は最小限
・2.5㎝前方→筋肉の負担は約2倍
・5㎝前方→約15~18㎏の負担
・7.5㎝前方→約20㎏の負担
つまり、「スマホをのぞき込む姿勢」は首や肩に常に鉄アレイをぶら下げているようなものです。
4.肩こり対策
1)環境を整える
・デスクはモニターを目線の高さに
・スマホは顔の高さに持ち上げる
・椅子に深く座り、骨盤を立てる
2)筋肉をリセットする
・肩甲骨を寄せて10秒キープ×3回
・顎を軽く引く(チンイン)
・胸を開くストレッチ
3)筋肉を鍛える
・僧帽筋中部、下部や菱形筋などを鍛える
・頚深層屈筋を意識した運動
まとめ
「正しい姿勢は、一番の肩こり予防薬」です。
肩こりを解消するためには、マッサージやストレッチだけでは不十分です。
根本的には「姿勢習慣」を変えることが重要です。
耳孔と肩峰の位置を意識し、数センチの差が大きな負担を生むことを理解するだけで、肩こり改善の第一歩になります。
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